第1回メフィスト賞受賞作家・森博嗣。
工学博士ならではの専門的な知識や理系用語が散りばめられた超論理的な構成の文章が特徴的。しかし、随所で挿入される詩や歌詞が絶妙に絡み合うことで、ただのミステリーではない、森ワールドが読者を魅了します。
今回は読書好きの方36名に、Twitter上で森博嗣おすすめの1冊を選んでいただきました。その結果をランキング形式でご紹介します。
目次
1位『すべてがFになる』
MOO
「両手両足を切断され、ウェディングドレスを着た女の死体」という強烈なシーンで引き込まれて、タイトルの謎に着地するまで、一気読みでした。
作者と同じく、地元が愛知県なので、舞台をイメージしながら読むのが楽しかった!
pinx
登場人物がみんな秀才でトリックが難しく、「あぁ、だからか」と思うシーンもありながらも最後まで楽しめる一冊です。
ドラマを見てから原作を読んだので、理系ミステリーといえども理解しやすかった!
rad
森博嗣信者としては、マイナー作品を攻めたい気もするけど、オススメの一冊と言われたら、自分がハマるきっかけとなった最初の一冊を。
映像化もされてるけど、森博嗣だけは本で読んで欲しい!メインのミステリーよりも、キャラの思考と心理描写が真髄だと思うから。
つむぎ
武井咲さんが好きで、ドラマを見てから原作を読みました!
私は理系ではないので、「文章を理解できるかな?」と不安でしたが夢中で読み進められました。20年以上も前の作品とは思えないです!
だむこ
よく分からないままに読み進めていくと、あれもこれも伏線だった…!ゾクゾクワクワクしました!
「ミステリーでしょ?苦手だよー」なんて言わずに、とにかく手に取ってほしいおすすめの1冊です!
oni-salmon
トリックの消えた1分を計算した行動がホントにすごくて、読んだ当時、「うおーっ!!」ってなりました。
宮本茉奈
ミステリー作品は得意ではないのだけど、オススメされて読み始めたらあっという間に「次の本を下さい…!」ってなったシリーズ第1作。
「四季シリーズ」に辿り着いた時の高揚感たるや!犀川や萌の理解できる個性と、真賀田博士の想像を絶する個性の描写がお見事です!
ベストん
「トリック凄いなぁ」って思ったけど、真賀田四季博士の訳わかんなさも印象強い!
ラマンボ
アニメを見て、森博嗣先生の存在を知りました。
伏線が緻密に張り巡らされていて、それらが終盤にかけてブワーッと回収されてく感じが心地いい!
難しい部分が多くてまだ理解しきれていないので、今でもたまに読み返しています笑
たまご
理系ミステリーと聞いて、「全く理系じゃない私にも読めるかな?」と思いましたが、タイトルに惹かれて購入。
難しい本は向いてない私でも楽しく読めました!!
あまり書くとネタバレになるので控えるけど、森博嗣先生の作品で初めてこれを読んで本当に良かったなと思いました。
司
トリック自体もすごいけど、地の文に垣間見える森先生独自の人生観みたいなものが、ハマる人にはハマる。
momochan
私が最初に読んだ本ということもあり、『すべてがFになる』がオススメかなぁ〜!
よくある推理小説と思ってたら、いい意味で裏切られます。登場人物のキャラもたっている中で会話を読み進めるのも楽しい♪
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。
2位『封印再度』
昼の輝き
壺の中にある鍵の話がものすごく印象に残っていて、「そんな合金があるのか!!」という驚きで面白かったです!同じような物が現実にもありそう。
水生
マイベスト森ミステリーを一冊選ぶなら、『封印再度』一択です。
もみじ
奇妙な密室殺人。凶器は箱の中。箱を開ける鍵は壺の中。しかし、鍵は壺の口より大きい。密室の中に凶器を封じ込めた密室が…。
読後の騙された感はスゴいものがあった!再現動画も好きでした。今も残っているのかしら。
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
3位『喜嶋先生の静かな世界』
マッシュ
今まで知らなかった大学院の中に、文章を読みながら入ることができる。「研究とは何か?」ということから「人生とは何か?」を考えさせられる作品。
登場人物の掛け合いが秀逸で面白い!そして、誰も考えつかないような結末には少しドキっとしてしまう。
忘れられない一冊です。
close to pan
この作品を読んでいると、「自分も勉強したい!もっと学びたい!」って気持ちが芽生えてくる。
ストーリーは、「最後がどうしても怖い…」という感想になるなぁ。
文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
4位『黒猫の三角』
Ao
まずはデビュー作の『すべてがFになる』だと思うけど、個人的にはVシリーズも好きなので『黒猫の三角』をおすすめします!!
nattu
個人的には六人の超音波科学者が好き!
一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。
5位『風は青海を渡るのか?』
ツッキー
小説を読んでいてゾッとしたのは、久しぶりでした。
森博嗣さんの本は、どのシリーズもドキドキしながら読んでます!
聖地。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下、長い眠りについていた試料の収められた遺跡は、まさに人類の聖地だった。ハギリはヴォッシュらと、調査のためその峻厳な地を再訪する。ウォーカロン・メーカHIXの研究員に招かれた帰り、トラブルに足止めされたハギリは、聖地以外の遺跡の存在を知らされる。小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。
6位『どきどきフェノメノン』
おこめ
森先生のこういう作品も大好きです。ドキドキワクワクな素敵なお話です!
窪居佳那・二十四歳・大学院のドクターコースに在籍中。指導教官の相澤助教授に秘かな恋心を抱いている―と思っているのは佳那本人だけで、相澤を前にすると佳那が挙動不審に陥ることは誰もが気付いている。講座の後輩の爽やか好青年・鷹野史哉、同じく後輩で人形オタクの水谷浩樹、謎の怪僧・武蔵坊など、周りに男性は多いものの、彼らの「濃すぎる」キャラに押され気味の佳那。佳那にハッピーエンドは訪れるのか?
7位『四季 春』
クリイヴ
真賀田四季博士の一生を追うような内容で一番読みやすいというか、わかりやすくて好きです!
天才科学者・真賀田四季。彼女は五歳になるまでに語学を、六歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。
8位『今はもうない』
雨降りデルタ
森さんの作品はどれも好きだけど、特におすすめなのが『今はもういない』!
初めて読んだ当時はまだ小学生か中学生で、今ほど疑うことを知らずにまんまと…(^ω^)
最後に一気に畳み掛ける展開も、話の構成も大好きです!好きなフレーズは他の作品ほど多くないけど、話がとにかく良い!
避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。
9位『捩れ屋敷の利鈍』
odekon
「メビウスの輪を実際に建築物として建てたりしたらどうなるか?」っていうシーンがすごく印象的でした。
エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣が眠る“メビウスの帯”構造の巨大なオブジェの捩れ屋敷。密室状態の建物内部で死体が発見され、宝剣も消えた。そして発見される第二の死体。屋敷に招待されていた保呂草潤平と西之園萌絵が、事件の真相に至る。S&MシリーズとVシリーズがリンクする密室ミステリィ。
10位『ヴォイド・シェイパ』
りゃおりゃお
ぐぁぁ!選ぶの難しい!ここは敢えて、森博嗣先生の中では珍しい剣豪時代劇小説シリーズの1冊目で!
S&Mシリーズ、Vシリーズ、百年女王シリーズ、スカイ・クロラシリーズ、エッセイ集推しは多いだろうけど、ここは意外と盲点と見た。
人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む―ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」…ただそれだけのために。
11位『神様が殺してくれる』
しのため
S&Mシリーズ、四季シリーズ読破。続いてGシリーズも読み始めたが、私の中で1番好きだったのがこの1冊。
ああでも、、西之園さんと犀川先生も好き!!森さんのイチオシ作品、選ぶのが難しいですね(*´-`)
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の異常な美しさだけだった。舞台をフランクフルト、東京へと移し国際刑事警察機構の僕は独自に捜査を開始した―。
12位『有限と微小のパン』
東京労働者
シリーズの締め括りに真賀田四季博士が登場します。犀川の心が囚われているのがたまらないです。
ただし、シリーズ読み通しての10冊目として完成する作品なので、ぜひ他の9冊を読んでから挑戦してほしいです。
独特の表記は面食らうかもしれませんが、そのうち慣れますよ。
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
13位『少し変わった子あります』
こもりーぬ
食事風景をこんなに美しく繊細に書かれた本はないと思う!不思議な世界にグッとひきこまれます。
読み終わったらラストで「え??」ってなる。絶対もう一回読み返さずにはいられない本です。
失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った“少し変わった子”に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。
14位『スカイ・クロラ』
nyaton
生きること、死ぬこと、有限の時間と無限の時間。
普段考えない(考えないようにしている?)ことについて、どっぷり考えさせられる一冊。
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
15位『ナ・バ・テア』
なわしろこころ
森博嗣先生の本はどれも好きすぎるけれど、人生で一番の推しというかスカイ・クロラシリーズ全て。
ミステリーではないけど、森先生の哲学と美学がぎゅっと詰まった美しい本です!こんなに美しい景色は、この世界のどこにもない。
信じる神を持たず、メカニックと操縦桿を握る自分の腕だけを信じて、戦闘機乗りを職業に、戦争を日常に生きる子供たち。地上を厭い、空でしか笑えない「僕」は、飛ぶために生まれてきたんだ―大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語。
16位『銀河不動産の超越』
カエルこぞう
シリーズ物は長いのと短編集にもシリーズ物のエピソードが含まれていたりするので、初めて森作品に触れる人は、独立した小説がオススメです!
特にこの小説は読みやすいのでオススメ!!
気力と体力不足の高橋が、やっと職を得たのは下町の「銀河不動産」。頑張らずに生きる―そんな省エネ青年を訪れる、奇妙な要望をもったお客たち。彼らに物件を紹介するうちに、彼自身が不思議な家の住人となっていた…?「幸せを築こうとする努力」が奏でる、やさしくあたたかい森ミステリィ組曲。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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この記事が新たな作品との出会いのきっかけになればと願っております。
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