芥川賞作家・今村夏子。淡々とした文章の中で徐々に浮かび上がる、不穏な空気や歪な狂気が特徴的。しかし、決して重すぎずある種の滑稽さがあるのも魅力の1つです。
今回は読書好きの方18名に、Twitter上で今村夏子おすすめの1冊を選んでいただきました。その結果をランキング形式でご紹介します。
1位:むらさきのスカートの女
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。(Amazon商品説明より)
Ema
芥川賞受賞作ということで読んだのですが、なかなかの鳥肌モノ。
表紙から既に不気味さが出ていたのですが、読んでいるとその表紙にも納得。
むらさきのスカート女よりも、実は黄色いカーディガンみたいな女の人って割といるんですよね……。
hia
去年の芥川賞
不穏な空気感が魅力です!
rika…T⭐︎
今村夏子さんの作品を読んだのは「むらさきのスカートの女」が初めてでした。
今までにない恐怖を味わいました。
おかげでその本の主人公について夜な夜な考えてしまい、寝不足です笑
他の今村夏子さんの作品も読みたいと思います
kasumi-sou
芥川賞受賞作。
女を影から覗き見する女。
読みながらゾクゾクしてページをめくる手が止められなかった。イッキ読み。
覗き見している女の正体がだんだんわかってきて、ますますゾクっとした。
やみつきになる一冊。
まーゆんゆん
誰の目線で描いているかで全く違うストーリーになる。
狂気と滑稽さがミックスした面白い作品。
むらさきのスカートの女黄色いカーディガンの女そして読者が重なり合う不思議な読後感。
オススメです。
受賞 | 第161回芥川賞受賞 |
ページ数 | 160ページ |

2位:あひる
あひるを飼い始めてから子供がうちによく遊びにくるようになった。あひるの名前はのりたまといって、前に飼っていた人が付けたので、名前の由来をわたしは知らないー。わたしの生活に入り込んできたあひると子供たち。だがあひるが病気になり病院へ運ばれると、子供は姿を見せなくなる。2週間後、帰ってきたあひるは以前よりも小さくなっていて…。日常に潜む不安と恐怖をユーモアで切り取った、河合隼雄物語賞受賞作。(Amazon商品説明より)
オススメの一冊です。
その後出された本もどれも感銘を受けたけれど、初めて「あひる」を読んだ時に味わったあの新触感は私の中では、特別なものでした。
ゆっくり音もなく浸食されていく不穏な空気。
くせになります。
実家暮らし経験が長い方
生活に閉塞感を覚えている方
田舎で不思議な体験をしたことがある方
ひとつでも当てはまったそこのあなた!
どうか、騙されたと思って『あひる』を読んでください(゚∈゚*)( ゚∋゚)
飛行機の中で読んでます。
なんとなく本屋で、取った作品だったと思います。
普通に面白いです。(なんか、細かく感想かくと他の人にネタバレとか思われないか怖い)
受賞 | 第5回河合隼雄物語賞受賞 |
ページ数 | 176ページ |



4位:こちらあみ子
あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれ兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。(Amazon商品説明より)
読んだことがある人もたくさんいるかもしれませんが、
全体的に暗い印象の中に輝く温かさが記憶に残っています。
独特な世界観ゆえに人を選ぶかもしれませんが、一読して欲しい作品です。
空気を読んで周りに合わせたり、要領よく生きるのが正しいみたいな社会の中で、この本に登場する人たちは異質に思える。
あきらかに変、じゃなくて、心がざわっとする違和感を言葉にする作家さんの凄み!
背筋に何か走るものがある。
しかし秀逸。
受賞 | 第26回太宰治賞受賞/第24回三島由紀夫賞受賞 |
ページ数 | 237ページ |
5位:星の子
林ちひろは、中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく…。野間文芸新人賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。(Amazon商品説明より)
あやしい雰囲気の中でも素敵な関係が切り取られていておすすめです!
面白い。
三十路は、おすすめするよ。
誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも迷わず信じ続ける事はとても難しいと思いました。
皆さんに是非読んでほしいです
受賞 | 第39回野間文芸新人賞受賞/2018年本屋大賞7位 |
ページ数 | 256ページ |



6位:父と私の桜尾通り商店街
桜尾通り商店街のはずれでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい…。平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ―見慣れた風景が変容する、書き下ろしを含む全六編。
(Amazon商品説明より)
今村夏子ファンなら必読の6作品収録短編集。
表題作が好き。
とにかく「私」の行動から目が離せなくて最後まで引っ張られる。
いつの間にか応援してる。
最後は涙。
たくさんの名作の中でも特に好きです。
読み終わった後に、不思議な感覚になります 笑
ページ数 | 240ページ |
7位:木になった亜沙
誰かに食べさせたい。願いがかなって杉の木に転生した亜沙は、わりばしになって、若者と出会った―。奇妙で不穏でうつくしい、三つの愛の物語。(Amazon商品説明より)
子供の頃からなぜか物が当たらない、ドッジボールも当たらないと不思議な能力を持つ七未。
最後はちょっと意味が分からなく何度か読み直したけど何故かよかったねと感動しました!
ページ数 | 155ページ |
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
自分の大好きな1冊、懐かしい1冊、再読してみたくなった1冊、気になってはいたが読めていない1冊などはランクインしていましたか?
この記事が新たな作品との出会いのきっかけになればと願っております。
他にもたくさんの作家さんのまとめ記事があるので、ぜひ覗いてみてください!
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