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『深淵を歩くもの』あらすじと感想【脚本家小中千昭がおくる和製クトゥルフ】

『深淵を歩くもの』あらすじと感想【脚本家小中千昭がおくる和製クトゥルフ】

永久に動き続けるモーター。

人ならざる者、屍人の群れ。

深海の奥深くで、文明を滅ぼそうと待ち続ける邪神。

脚本家小中千昭氏がおくる、和製クトゥルフとも言える中短編集。

こんな人におすすめ!

  • ホラー小説が好きな人
  • クトゥルフ神話が好きな人
  • ウルトラマンティガが好きな人

あらすじ・内容紹介

「それ」は、深海の奥深くで待っていた…。

文明が芽生え、発展し、そしてそれを滅ぼすとき_を…。

テレビドラマ『ウルトラマンティガ』に登場した最強怪獣、〈邪神ガタノゾーア〉の恐怖を一般人の目線から描いた『深淵を歩くもの』や作中で登場した怪人〈キリエル人〉を実際の経験と交えて描いた『キリエル人』を始め、クトゥルフ神話の代表とも言える『インスマスを覆う影』を日本風にリメイクし、佐野史郎(さの しろう)主演でドラマも放映された『䕃洲升を覆う影』、とある改造人間の独白を描き続ける『怪人』など、多種多様な短編を収録。

脚本家・小中千昭が描き出すクトゥルフへの愛に溢れた、少し不思議で、美しくもグロテスクな世界の数々。

『深淵を歩くもの』の感想・特徴(ネタバレなし)

クトゥルフ神話を軸にした、悍しく美しい物語の数々

蔭洲升湾にうちあげられた奇怪な腐乱死体

今作には、クトゥルフ神話をモチーフにした物語、もしくは日本風にリメイクした物語が多数収録されている。

あまり詳しくない方のために、クトゥルフ神話について簡単に解説しておく。

19〜20世紀の作家〈H・P ラヴクラフト〉が生み出した架空の神話に、様々な作家たちがオリジナルの物語を加え、それが体系化されていったのがクトゥルフ神話だ。

大きな特徴として、宇宙的恐怖や旧支配者といった構成要素が挙げられる。

殆どの物語で、人類以前にかつて地球を支配していた、古き神々や怪物の恐怖が描かれる。

この短編集では、日本を舞台にしたクトゥルフ的な世界観を描く作品が多数存在する。

青年の薄暗い祈りに応えて、部屋に訪れた来訪者を取り込む邪神の恐怖を描く『神祐』。

クトゥルフど真ん中の怪物が海に帰ってゆく様子を描いた、僅か5ページの短編『ダゴン』。

クトゥルフ神話の代表作とも言える、怪物が跋扈する街の様子を描いた作品『インスマスの影』を、日本を舞台に描き直し、佐野史郎氏が主演のドラマとして放映もされた『蔭洲升を覆う影』。

その他にも分かる人には分かるクトゥルフ要素が数多く盛り込まれており、読者を飽きさせることはない。

また1つ1つのストーリーが短いので、これまでクトゥルフ神話に触れたことが無い人にも、入門編としてお勧めできる1冊だ。

日本を舞台に描かれる、旧支配者たちが齎す様々な恐怖を満喫することができるだろう。

クトゥルフからは少し離れた、ブラックユーモアや奇妙なSFも楽しめる

俺は一体何なのだ……?

今作に収録されている物語の中には、もちろんクトゥルフ神話とは別軸で描かれるSFやホラーも数多い。

美しいものに取り憑かれる人間の恐ろしさを描いた『メイクアップ』や、見える世界が他人とはほんの少し違ってしまったがために凶行に及ぶ女性の悲劇的な結末を描いた『屍街』など、人の暗黒面を描いた作品もあれば、人が人ならざるものへと変貌していく恐怖を描く『人魚』や『ダイノソアロイド』といったモンスターホラーも収録されている。

また、『幽霊』や『狗神』というド直球な日本怪談のようなタイトルの短編や、『イモーター』のような形容し難いSF、更におそらくはバッタの力を宿した仮面の戦士と闘っているのであろう、とある人物の独白が綴られる『怪人』など、実に様々なジャンルの物語を楽しむことができる。

どの作品にもなんとも言い難い独特の空気感が漂っており、読書中になんとなく薄寒くなるような気持ちを味わうことができるだろう。

〈邪神ガタノゾーア〉の恐怖

触手の一部は眠らずに、果てしもなく永い間生き続けてきたのだ。

本作の作者である脚本家・小中千昭氏は、平成に蘇ったウルトラマンシリーズの第1作目、『ウルトラマンティガ』の脚本を手掛けていた人物でもある。

『ウルトラマンティガ』は、古代から蘇った〈超古代怪獣〉や地球侵略を狙う邪悪な宇宙人たちと、主人公〈マドカ・ダイゴ〉が変身するウルトラマンティガが戦う物語だ。

物語の終盤では、〈超古代怪獣〉たちの長にして、3000万年前の人類を滅ぼした邪悪の化身〈邪神ガタノゾーア〉が登場し、一度はウルトラマンを破る。

当然ながら最終的にはウルトラマンに倒されてしまうこの怪獣は、本作のタイトルにもなっている『深淵を歩くもの』に、異様な存在感を持って登場する。

目が口の下についているというグロテスクな容貌の理由が明かされるほか、数多ある触手の一部が眠らずに文明を観察していたことが明かされる(キャラクターデザインについては、画像検索をしてみて欲しい)。

戦うことのない一般人が、そのまま怪獣と接することになった時の恐怖を描いた描写は、なかなか描かれることのない部分ではないだろうか。

かつてウルトラマンティガという作品に魅せられた人には、是非ともアナザーストーリーとして楽しんでほしい短編作品だ。

まとめ

クトゥルフ神話を軸にしたこの短編集は、薄暗く不気味な空気を纏いながらもそこはかとない美しさもまた秘めている。

クトゥルフに興味のある人に限らず、〈少し不思議〉な作品に興味がある人は是非とも一度手に取ってみて欲しい。

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