女子校は闇鍋だ。
もしあなたが女子校の卒業者なら、この言葉に頷いてもらえるかもしれない。
ともすれば女同士のマウントの取り合いは熾烈を極め、嫉妬や愛憎が縺れ絡まり、陰湿ないじめやいやがらせが横行する。
今回は思春期の女子が闇鍋の如くグツグツ情念を煮え滾らせる女子校において、割とよく見かけるJKのタイプを『暗黒女子』から挙げていきたい。
老人相手のボランティア、その実態は……
本作はミッション系女子校の文学サークルが舞台。
朗読会の一番手を務めるのは奨学金をもらっている優等生で、感心なことに老人相手のボランティアをしているらしい。
……というのは大嘘で、老人相手のボランティア、即ち援助交際をさす。
ご奉仕の意味が違うだろ、と突っ込みたい。
彼女はさも人助けをしているふうに吹聴し、そのことを作文にまで書いているが、実態は売春である。
自分の行為を正当化し、優等生の立場を強化しているのだから侮れない。
必要以上に自分をいい子に見せようとするJKには要注意、彼女は他人を踏み台にする事を厭わない。
約束を破った親への復讐
ある料亭の一人娘は、親に約束を反故にされた復讐として店に放火する。
しかも自分が仕立てた事件で周囲の同情を引き、悲劇のヒロインを演じるのだった。
理不尽な親に怒る気持ちはわからないでもないが、いかんせん仕返しが過激ではなかろうか。一歩間違えば人が死んでいた。
結果を考えず暴走するならまだしも、結果をしっかり考えた上で暴走するJKはなお怖い。
彼女たちはとても利己的で、自分こそ被害者のような顔で同情を集める術に長けている。
猫かぶりが得意なJKには要注意。
じゃないと被害者と思って加害者を擁護していた、なんて本末転倒な結末に繋がりかねない。
親友の理想像が壊れたら……
もしあなたが親友に裏切られたらどうする?
恨む?憎む?絶交する?
そっと離れる、という人もいるかもしれない。
本作はそのどれでもない、「殺して成り代わる」が正解。
思春期の多感な少女にとって、何でも話し合える親友は特別な存在。
だからこそ期待が裏切られた時の幻滅は甚だしく、反動は大きくなりがちだ。
殺すとなると極端だが、親友を従来のポジションから追放し、できた空席にちゃっかり自分がおさまっているケースはよく見かける。
部活で抜け駆けされたから転ばせてやろうとか、好きだった人と付き合い始めたから寝取ってやろうとか、可愛さ余ってなんとやらで友情は憎しみに裏返る。
JK、おそるべし。
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