日本の子どもたちは大変お行儀がいいそうだ。
保育士の一声でちゃんとお片付けしグラウンドに整列する、確かに彼らは素直ないい子だ。
が、イギリスの保育はもっとワイルド。
今回はブレイディみかこの著書『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』を参考に、子どもをもっとのびのび育てる方法を考察していきたい。
1人で園児30人を担当するのは多すぎる!
ブレイディみかこはイギリスの底辺託児所で働いていた。
イギリスでは保育士1人あたりが3~5人の園児を担当する。
保育士1人で20~30人を一度に見なければいけない日本の保育はちょっと異常だ。
考えてもみてほしい。
遊びたい盛りで四六時中動き回っている2~5歳児を1人で面倒見るというのは現実的ではない。
どう考えても手に余る。
家にいる母親だって幼児の世話にてんてこまいなのだから、倍の倍に数が増え、それを1人で見なければいけない保育士の大変さは想像できるはずだ。
少子高齢化が問題視されている現代、保育士の労働環境が改善されなければ先行きは暗い。
想像しただけでワクワクする。保育園でコスプレショー?
イギリスの保育園や託児所では着せ替えショーができる。
というのも、マーベルのヒーロースーツやディズニープリンセスのドレスが常備されているからだ。中には軍服もある。
子どもたちは好きな服を着てはしゃぐ訳だが、この際男の子がドレスを着ようが女の子がヒーロースーツを着ようが誰もうるさく言わない。
ファッションに口出しは厳禁だ。
もしトランスジェンダーの子どもがいれば早期に見分けられるし、柔軟な対応ができるのがコスプレ解禁の強みだ。
おまわりさん、消防士、コックさん。
もし自分が子どもの頃、自由に着替えていいコスチュームが幼稚園に取り揃えられていたら……考えてみただけで楽しくならないだろうか。
人形遊びで感情を汲み取れ
イギリスの保育園には手で持って遊べる布製の人形がある。
この人形は外見がばらばら。
金髪パーマ黒髪ソバージュ赤毛ストレート、黒い肌褐色の肌白い肌と実にバリエイションに富む。
子どもたちの多くは自分と外見の似た人形を「お気に入り」に選び、それでごっこ遊びをする。
自分と似た人形にはストレートに感情を投影しやすい。
ぬいぐるみや人形を用いたセラピーの効能は証明されているし、もし口外しにくい何かが家庭内で起こっていたとしても、見立て遊びの体裁をとればSOSを出せるのだ。
子どもたちの心を知りたければ人形を持たせてみるといい。
きっと人形の口を借りて本音を語り始める。
子どもをのびのび育てるにはできるだけ多くの選択肢を与えることだ。
人形にしろコスチュームにしろ、彼らには好きなものを選ぶ権利がある。
できることなら子どもを見守る保育士も、のびのび働けるといいと願ってやまない。
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