瀬戸内寂聴おすすめ小説10選【愛と悟りに生きる尼僧】

『死に支度』

明るく逝きたい

彼女が92歳で書いたこちらの作品。

卒寿を機に、瀬戸内寂聴が「いつ死んでも不思議ではない。毎日が死に支度」という思いを込めて人生を振り返った内容で、身近な人たちの死に様を振り返りながら「理想の死に方」を考えていくのだ。

死ぬのが怖いと思うのが人だし、若い人ならまだまだ死ぬなんて考えもしないだろうが、いつ死んでもおかしくないのが人間。

死が近い=年配・高齢者と思うのは間違いだ。

普段は考えることのない「死」について明るく書かれたこの作品を読んで、一度考えてみるのはどうだろうか。

自分自身は元気でも、周りの人の死に遭遇することもあるだろう。

いつか必ず死ぬのが人間。

避けられないのであれば、怖がるのではなく明るく対応できればいいと思わせてくれる作品だ。

『死に支度』の基本情報
出版社 講談社
出版日 2018/01/16
ページ数 336ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『不良のススメ』

瀬戸内寂聴×萩原健一

萩原健一(ショーケン)との共著。

2人の仕事観や恋愛観・人生観が語られるのだが、それぞれの世界で目いっぱい生きてきたからこその言葉には説得力がある。

何より、ショーケンが瀬戸内寂聴を「お母さん」と呼んでいるのがまた面白くもあり、不満げな彼女がまたいい味を出しているのだ。

こうした共著の場合、組み合わせが重要になるがこの2人の組み合わせはとても読みごたえがあってさらっと読めてしまうのがいい。

テーマごとに対談形式や、それぞれの言葉で書いたものがあり、エッセイとして読むには最適だろう。

真面目な話ばかりかと思えば、ときには笑える内容も。

これもまた、寂聴さんの人生そのものを表現しているようだった。

『不良のススメ』の基本情報
出版社 角川学芸出版
出版日 2009/07/08
ページ数 181ページ
発行形態 単行本

『死ぬってどういうことですか?今を生きるための9の対論』

瀬戸内寂聴×堀江貴文

こちらはなんと、ホリエモンとの共著だ。

対談形式で、最初は寂聴さんの十八番である「死ぬこと」についてテーマに挙がっている。

後半は景気や労働、政治・戦争について真面目に語っている。

年齢が倍は離れているからこそ、会話が興味深い。

決して年配の寂聴さんが上に立つわけではなく、どちらも対等な立場でそれぞれの見方を真剣に語っており、読んだ後には考えさせられる。

政治や景気なんて、難しいし興味ないという若者が大半だろうが、そんなことを言っているといつの間にか自分たちにとって不都合な法律ができていたりするかもしれない。

「しっかり大人として知るべきことは知って、権利を行使してこそ一人前だ」と自覚させられる一冊。

『死ぬってどういうことですか? 今を生きるための9の対論』の基本情報
出版社 KADOKAWA
出版日 2014/09/23
ページ数 224ページ
発行形態 単行本、電子書籍

『95歳まで生きるのは幸せですか?』

瀬戸内寂聴×池上彰

もし自分が95歳まで生きたいか?と聞かれれば答えに困ってしまう。

「年金なんてもらえなさそう」「その年まで健康でいられるとは思えない」などネガティブなことしか思い浮かばない。

最初は瀬戸内寂聴の章、真ん中はそれぞれが相手に聞く形式、後半は池上彰の章になっている。

政治や経済などの難しい話題をかみ砕いて説明することを得意とする池上彰らしい視点と、人生を味わってきた瀬戸内寂聴の言葉が合わさって、難しいテーマも多く含まれているのに読みやすい一冊に仕上がっていた。

“長生きが「おめでたい」とは言えない社会”という章では、特に現実を考えさせられる痛い内容が書いてあるのだが、それでもカラッっと明るく語れるのはこの2人だからこそ。

特に中年以降の世代にはおすすめの一冊だ。

『95歳まで生きるのは幸せですか?』の基本情報
出版社 PHP研究所
出版日 2017/09/15
ページ数 235ページ
発行形態 新書、電子書籍

おわりに

瀬戸内寂聴の様々な人生経験が詰まった小説から、若い世代との共著まで様々な作品を紹介してきた。

今も「体力が落ちてきた」と言いながらも、若い世代と語ることをやめない姿勢は、彼女の魅力のひとつだ。

女としての生き様と、尼僧としての仏教を通して得た悟りを惜しみなく伝えてくれる作品たちをぜひ読んでみてほしい。

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