近いほど憎らしく遠いほど寂しい、それは兄弟。
フィクションにも魅力的な兄弟は大勢登場する。
男兄弟の場合は特に、その関係性に萌える女性読者が殺到するというのが私調べだ。
今回は兄弟萌え読者に絶対押さえてほしい隠れた傑作、東山彰の『ブラックライダー』から、ツンデレな弟と仲良くなるコツを実践したい。
ポイント1:共同作業で絆を深めよ
娼婦の母から生まれた種違いのレイン4兄弟、全員の名前の頭文字を合わせるとGIRLS(お嬢さんたち)になる彼らはただ1人の例外を除いてとんでもない荒くれ者。
男を殺し女を犯し物を盗む、アウトローを地でいく彼らの中で突然変異な善人レスターは、弟のスノウにまで馬鹿にされる不憫な身の上。
しかし二人は大喧嘩のあとに共同作業をすることで絆を深めるのだった。
反抗期の弟に手が焼けるとお困りなら、一緒に作業をするのが吉。
レスターとスノウがしたのは寄生虫に食い殺された母親の死体の埋葬というなにそれ重すぎ無理……な共同作業だが、別に種類にはこだわらない。
たとえば弟の趣味に歩み寄りシンセサイザーをかき鳴らすとか一緒にゲームをするとか、萌えアニメをイッキ見してもいいかもしれない。
心を許した相手の動作を無意識にまねてしまうのをミラーリング効果といい、親密度が高まった証拠とされる。
同じ趣味や作業に打ち込んで相手と瞬きと呼吸を同調させれば、クソ可愛げない弟もきっとガードをといてくれるはず。
ポイント2:一緒に旅に出よう
ある目的からレスターとスノウは一緒に旅にでる。
スノウはレスターを腰抜けと蔑み、レスターは毎度スノウにこけにされるのに腹を立て、道中2人は喧嘩ばかりだ。
しかし旅を続ける中で、距離は微妙に縮まったり縮まらなかったりする。
ツンデレな弟と急接近したいなら旅行にでかけてはどうだろうか。
いきなり外国じゃなくてもまずは近場から、日帰りでぶらっとドライブも悪くない。
狭い家で顔を突き合わせているから息が詰まる、ならば広い世界に飛び出しておいしい空気を吸ってみる。
旅先でのちょっとしたハプニングはご愛敬だ、案外兄弟の絆が深まるかもしれない。
ポイント3:間違いを犯しても許してあげよう
スノウは気性が荒くてすぐキレる。
母親が死んだのはレスターのせいだと罵り、鼻血が出るまで兄を殴り倒すような奴だ。
そんな彼もまた、終盤である間違いを犯す。
ところがレスターは声を荒げてなじらず、自分がされた分までやり返すこともない。
人はだれでも間違いを犯す。弟ならなおさらだ。
そんな時どうするか。
めちゃくちゃに怒鳴りたいのをぐっとこらえ、あえて冷ややかに突き放し「兄」の凄みを出す。
先に生まれた一点で格の違いを見せ付ける。
常にキレ散らかしている奴がキレても「またか」とうんざりされるだけだが、普段温厚で礼儀正しい人物に辛辣な一言を吐かれると縮み上がりはしないか。
大事なのはその後のフォロー。
突き放したあとで相手がしおらしく詫びてきたら許してあげ、今度は自分から一段下り、対等な目線で話し合うことでさらに絆は深まるのだ。
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