貴志祐介おすすめ作品10選【天才が描く、ホラーとミステリが混じり合う新たな世界】

「ホラーというものはミステリの文脈で全く新しいものになる。」

この信念を持ち、第4回ホラー大賞を受賞するなど、モダンホラー小説で数々のヒット作を生み続ける超人気作家・貴志祐介。

彼の作品は「人間の心が生み出す恐怖」をテーマに描いているため、より身近に恐怖が感じられるものとなっている。

今回はそんな貴志祐介の作品の中でも、特におすすめの10冊をご紹介する。

『十三番目の人格ISORA』

私の中に潜む、13番目の悪魔

阪神・淡路大震災を題材にしたホラー小説で、第3回日本ホラー小説大賞佳作作品

また、2000年には「ISOLA 多重人格少女」という題名で映画化している。

主人公は、人の心を読むことができる加茂由香里(かも ゆかり)。

彼女は阪神・淡路大震災のボランティアに参加する中で、12人の人格を持つ千尋(ちひろ)という少女と出会う。

いくつかの人格と会話することで打ち解けていた由香里だが、ふとした時、13番目の人格が誕生してしまう。

彼女の名前は「ISOLA」。

ここから、凶暴な性格を持つ「ISOLA」を中心として不可解な事件が起き始める・・。

多重人格と怨霊をブレンドさせた、見たことのない作品である。

物語終盤、「ISOLA」の意味を知ったときの驚きは、今でも鮮明に思い出せるほどだ。

一度読みだせばページをめくる手が止まらなくなるだろう。

『十三番目の人格ISORA』の基本情報
出版社 角川書店
出版日 1996/04/18
ジャンル ホラー
ページ数 401ページ
受賞 第3回日本ホラー小説大賞佳作
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『黒い家』

心のない人間の闇

第4回日本ホラー小説大賞受賞作。

読者を恐怖のどん底に突き落とすサスペンスホラーだ。

保険会社に務める若月慎二(わかつき しんじ)のもとにある日、菰田重徳(こもだ しげのり)という人物から「家に来てくれ」と電話がかかってくる。

家に入ると若槻は、首を吊って死んでいる重徳の子供を発見し驚愕する。

そんな若槻に対して重徳は声を荒げて、死亡保険金を請求するのであった。

明らかな異変を感じた若槻は、この事件について独自に調査を始める。

これから人間の皮を被った悪魔に命を狙われることになるとも知らずに・・。

心霊現象の恐怖とは違った、「人間の欲望」という底が見えない恐怖が、物語の終始に付きまとう。

『黒い家』の基本情報
出版社 角川書店
出版日 1998/12/10
ジャンル ホラー
ページ数 392ページ
受賞 第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

『鍵のかかった部屋』

密室は、破れました。

主人公は警備会社に勤める・榎本(えのもと)。

本作は、基本的に榎本が密室事件をことごとく解決していくという物語である。

榎本と弁護士の純子の掛け合いが読んでいてとてもおもしろい。

他にも個性的なキャラクターが登場し、物語を盛り上げてくれる。

ホラーが多い貴志祐介の作品の中では、肩の力を抜いて気軽に読める作品となっている。

また、大野智主演で月9ドラマ化しており、その誰しもが面白いと感じるコミカルな描写から、数ある貴志祐介作品の中でも最も認知度のあるものだろう。

『鍵のかかった部屋』の基本情報
出版社 KADOKAWA
出版日 2012/04/25
ジャンル ミステリー
ページ数 368ページ
シリーズ 「防犯探偵・榎本シリーズ」全5巻
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

『極悪鳥になる夢を見る』

小説家・貴志祐介ここにあり

貴志祐介のエッセイ集。

貴志祐介ファンには絶対に読んでいただきたい作品だ。

主に「作品に対するこだわり」や「作品へのスタンス・プロセス」が綴られている。

しかし、ところどころギャグ要素のようなものもあり、最後まで読者を飽きさせない。

個人的には、阪神タイガースへの情熱が凄まじく、とても印象に残っている。

これを読むと、貴志祐介の作品を再読したくなること間違いなし!

『極悪鳥になる夢を見る』の基本情報
出版社 文藝春秋
出版日 2017/04/07
ジャンル エッセイ
ページ数 232ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『悪の教典』

学園サイコホラーの最高峰作品

本作の主人公である蓮見聖司(はすみ せいじ)は、どんな時でも生徒を第一に考えるという精神から、生徒だけでなく教師からも信頼の厚い先生である。

しかし、蓮見の裏の顔は共感性が全くないサイコパスだった。

その性格は、自分にとって不都合な人物は排除していくというものであり、幼少期には両親までも手にかけていた。

ひそかに事を行っていた蓮見だが、ある時生徒たちに勘付かれてしまう。

ここから蓮見の暴走が始まるのであった。

優しい笑顔の裏に隠された悪を知ったとき、人は人の恐ろしさを改めて思い知らされる。

2012年、伊藤英明主演で映画化もされており、そちらも衝撃作となっているため、あわせてご覧いただきたい。

『悪の教典』の基本情報
出版社 文藝春秋
出版日 2012/08/10
ジャンル ミステリー、ホラー
ページ数 467ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『雀蜂』

1度でも刺されたら終わり

小説家の安斎智哉(あんざい ともや)は、妻と一緒にある山荘に泊まっていた。

朝、ワインを飲んで眠ってしまった安斎が目を覚ますと妻はおらず、代わりに大量の雀蜂が突然襲い掛かってくる。

実は安斎は3年前に1度雀蜂に刺されており、次刺されると命にかかわると医師から告げられていた。

ここから雀蜂と安斎の、薄氷の綱渡りの攻防が始まる。

そして、妻はいったいどこに消えたのか。

また、何が目的なのか。

伏線の数々が散りばめられており、特にラストのどんでん返しは誰も予測できないものになっている。

『雀蜂』の基本情報
出版社 角川書店
出版日 2013/10/25
ジャンル ホラー
ページ数 236ページ
発行形態 文庫本

『天使の囀り』

それを聞いたが最期。狂気の死が訪れる

主人公・北島早苗(きたじま さなえ)の恋人である高梨が、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加するところから物語は始まる。

極度の死恐怖症(タナトフォビア)であったはずの高梨がアマゾンから帰ってくると、人格が変わったかのように「死」に魅了され、自らがそれを望むように突然自殺してしまう。

さらには他の参加者たちも、恐怖の対象であったものが突然として美しく感じるようになり、異常な方法で次々と自殺していくのであった。

一体、アマゾンで何が起こったのか。

また、高梨が言い残した「天使の囀りが聞こえる」とは何を意味しているのか。

それらを追求していくストーリーとなっている。

映画を見ているような不思議な感覚になり、特に後半は、ページをめくる手が止まらない。

少しグロテスクな描写もあるが、ぜひ読んでみてほしい。

『天使の囀り』あらすじと感想【アマゾンの奥地に存在する、自殺を誘発する〈何か〉の正体とは?】『天使の囀り』あらすじと感想【アマゾンの奥地に存在する、自殺を誘発する〈何か〉の正体とは?】
『天使の囀り』の基本情報
出版社 KADOKAWA
出版日 2003/03/14
ジャンル ホラー
ページ数 526ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

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『新世界より』

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