小野不由美おすすめ小説10選【和製ホラーと壮大ファンタジーの紡ぎ手】

ミステリー・ホラー・ファンタジーと重厚で読み応えのある作品を描く小野不由美。

ホラー作家の綾辻行人と結婚していることでも有名で、夫婦ともに作家というだけではない。

作品がメディアミックスされたり、発売を待ち望まれたりと、コアなファンも多いのだ。

とくに『十二国記』シリーズはファンが若年世代から年配層まで幅が広く、発売が渇望されるほどの近畿を誇っている。

今回は、そんな小野不由美の作品からぜひ読んでほしいおすすめを紹介したい。

『くらのかみ』

子どもと、大人が右往左往

夏と言えば怪談の季節。

「―行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷」を舞台に、大人たちは後継者選び、子どもたちは「四人ゲーム」というゲームを通じて様々な事件が発生し、解決するために少年探偵団が結成される物語。

座敷童子と言えば、守り神のイメージが強いかもしれないが、見たいような見たくないような・・・ちょっと得体の知れないものだ。

子どもたちの「四人ゲーム」では、いつの間にかひとり増えている。

大人たちの後継者選びでは、後継者の資格を持っている人物の食事に毒が入っているというロシアンルーレット的な怖さ。

そんな怪異を果たして少年探偵団たちが解くことができるのか、その過程が面白く、読みやすい作品になっている。

『くらのかみ』の基本情報
出版社 講談社
出版日 2003/07/30
ジャンル ミステリー
ページ数 340ページ
発行形態 単行本

『鬼談百景』

百の怪談

学校や街の遺跡、廃墟・・・そんな場所にまつわる怪談はつきものではないだろうか。

学校であれば「誰もいないはずの教室に・・・」「音楽室の作曲家たちのポスターの目が・・・」なんて話を誰もが聞いたことがあるはずだ。

そんな身近でちょっと怖い話を、百物語としてまとめたこの作品。

どこかで聞いたことがあるようで懐かしい気持ちになるものもあれば、思わずゾクっとするようなものもあり、寝物語に少しずつ読み進めるのにもいいかもしれない。

ホラーの描き手らしい表現と、読みやすさを兼ね備えたこの作品。

小野不由美の最初の一冊としてもおすすめだ。

『鬼談百景』あらすじと感想【『残穢』にも連なる、小野不由美の傑作実話怪談集】『鬼談百景』あらすじと感想【『残穢』にも連なる、小野不由美の傑作実話怪談集】
『鬼談百景』の基本情報
出版社 角川書店
出版日 2015/07/25
ジャンル ホラー
ページ数 336ページ
発行形態 文庫本

『残穢(ざんえ)』

こんな家、住みたくない

賃貸でも、取得でもいいが新しい家に引っ越すときは誰もがワクワクするだろう。

「部屋をこんな風にしたい」「新しい街はどんなところだろう」なんて楽しみな気持ちを抱えて引っ越した部屋で怪異現象が起こったらどうだろう。

途端に安らげるどころか恐怖の巣窟になってしまう。

この物語は引っ越したばかりの部屋で起こる怪異を機に、調べていくのだが最後に分かった真実というのがまた恐ろしい。

「怨みを伴う死は『穢(けが)れ』となり、感染は拡大する」と銘打たれたこの言葉に、あなたはいったい何を感じるだろうか。

山本周五郎賞も受賞したこの作品、長編でじっくり怖さを味わいたい人におすすめだ。

『残穢』あらすじと感想【穢れの正体に迫る映画化もされた傑作ホラー】『残穢』原作小説あらすじと感想【穢れの正体に迫る映画化もされた傑作ホラー】
『残穢』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2015/07/29
ジャンル ホラー
ページ数 359ページ
発行形態 文庫本

『東亰異聞』

今昔伝奇ミステリ

東京と言えば眠らない大都会、と言うイメージが強いだろう。

昼はサラリーマン、夜は若者やちょっと怪しい人たちが蠢く光と闇に溢れた街。

そんな街に巣食うのは百鬼夜行的な存在。

例えば「人を突き落とし全身火だるまで姿を消す火炎魔人」や「人の魂を売る人」など、とても東京では見ることのなさそうなモノたちばかりだ。

そんな怪異事件を新聞記者が追いかけていくうちに行きついたのは、鷹司公爵家のお家騒動だった。

鷹司家と言えば、平安時代の摂関藤原家の血を引く貴族の末裔。

どうして怪異事件がそんな名門のお家騒動にたどり着いたのか。

あなたの目で確認してみてほしい。

『東亰異聞』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 1999/04/26
ジャンル ホラー
ページ数 443ページ
発行形態 文庫本

『黒祠の島』

あり得ない風習

日本に限らず、世界では今でも信じられないような風習・習慣を持つ地域や民族・宗教が存在していることはたびたびニュースなどで報道されて知っているだろう。

舞台は九州北西部にある夜叉島(やしゃじま)。

その島は葛木志保(かつらぎ しほ)の故郷で、彼女が消えた理由を調べるために式部剛(しきぶ たける)が島に行き、調べていくというストーリーだ。

調べていくうちに、奇妙な情報や風習が明らかになっていく過程はとても不気味で怖い。

真実にたどり着くまでの過程がたまらなく不気味で、背筋が凍りそうになる怖さは小野不由美の真骨頂ではないだろうか。

『黒祠の島』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2007/06/28
ジャンル ホラー
ページ数 479ページ
発行形態 文庫本

『営繕かるかや怪異譚』

優しい怖さ

こちらは短編集になった作品だ。

叔母から引き継いだ町家に暮らしている主人公が、さまざまな怪異に遭遇するのだが、他の作品に比べてかなり日常的で優しい描写になっている。

古い家というのは、それだけで怪談や不思議なエピソードに事欠かない。

ちょっとした不思議な出来事などが起こると真実のように言い伝えられていたり、実際に怖いというまではいかないが何かが起こったりするもの。

少しドキリとする怖さと、どこか優しさが同居した読みやすいストーリーなのでホラー初心者におすすめだ。

『営繕かるかや怪異譚』あらすじと感想【大工が怪異を解決⁉︎】『営繕かるかや怪異譚』あらすじと感想【大工が怪異を解決⁉︎】
『営繕かるかや怪異譚』の基本情報
出版社 KADOKAWA
出版日 2018/06/15
ジャンル ミステリー・ホラー
ページ数 288ページ
シリーズ 2021年4月現在で『営繕かるかや怪異譚 その弐』の2冊まで
発行形態 文庫本

『屍鬼(一)』

不審死から始まるホラー

かなり怖い、極上の和製ホラー作品。

舞台は人口1000人ちょっとの小さな村、外場村だ。

外部から遮断されたような閉鎖的な村で、今でも古い因習が残っているような隔絶された田舎。

そんな場所で村人3人の死体が見つかり、事件性がないと片付けられたがどうも怪しいのだ。

調べていくうちにわかる真実、屍鬼(しき)の存在が明らかになる。

それは死んだ後に蘇生し、超常的な力を得た人間で、外見は生きている人と変わらないが、生きた人間の血を啜らないと存在できない。

まるでヨーロッパに伝わる吸血鬼のようだ。

壮絶な描写と、本当に起こるのではないかと思わせるような描写で恐怖に陥れてくれるのでホラーが大好物な人におすすめだ。

『屍鬼』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2002/01/30
ジャンル ホラー
ページ数 583ページ
シリーズ 『屍鬼(五)』まで全5巻
発行形態 文庫本

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